Boda Erik Hoglund Glass Object/ボダ エリック・ホグラン ガラスオブジェ スウェーデン 北欧ヴィンテージ

A sincerity toward materials and a childlike sense of pure playfulness can be felt.

1932年スウェーデン生まれのエリック・ホグランは、1953年からBoda社でデザイナーとして活動を開始。
彼の作品は “原始的な単純美” を追求しており、フォルムや色、ガラスの表面に「素材そのもの・手仕事の痕跡」を感じさせるスタイルが特徴です。
1950年代半ばから70年代にかけて数多くのアートピースや日用品を生み出し、北欧ガラスの常識を覆す“温かく、遊び心あるデザイン”を確立しました。

一つ目は、クリアガラスで造形されたブックエンド。
動物のようで、人のようでもある不思議なフォルム。
猫のような目つきと前足を揃えた姿が愛らしく、見る角度によって印象が変わります。
厚みのあるガラスの塊はずっしりとした重みを持ち、ペーパーウェイトとしても使える実用的なデザイン。
彼の“ガラスを彫刻的に扱う感性”がよく表れています。

二つ目は、深く鮮やかなブルーが印象的なグラス型のフラワーベース。
ホグランが手がけたブルーのガラスシリーズの中でも、縦長シリンダー形は比較的珍しいモデルです。
厚手のガラスに閉じ込められた気泡は、光を受けるたびにきらめき、まるで水の中に光がとどまっているかのよう。
一輪挿しとしてはもちろん、オブジェとして置くだけでも空間のアクセントになります。
Boda社のオリジナルシールが残っています。

最後は、ホグランの代名詞ともいえる“顔”のモチーフがまるでシーリングスタンプのようにあしらわれたボトル。
ラウンドした角と、やや歪みのあるフォルムが手仕事の温かみを感じさせます。
正面には帽子をかぶった野球少年？のような人物の顔が浮かび上がり、どこか懐かしくユーモラス。
栓は欠損していますが、その素朴な佇まいはホグラン作品ならでは。
こちらもBoda社のオリジナルシールが残る一点です。

いずれも厚みや気泡、わずかな歪みまでが個性として表れています。
ホグランは「ガラスの完璧さ」よりも「不均一の美」を大切にし、人の手と火の力が作り出す“偶然の造形”に美を見出しました。
だからこそ、ひとつひとつの作品に違う表情が宿ります。

光を受けて輝く青、影の中で静かに佇むクリア。
ペーパーウェイトとして使ったり、小さな花を挿したり。
窓辺や本棚、デスクの上など、日常のどんな場所にも自然に溶け込みます。

どの作品にも共通するのは、素材への誠実さと、どこか子どものような純粋な遊び心。
工芸とアートのあいだを軽やかに行き来したホグランの世界が、この3点からも確かに感じられます。
穏やかな光とともに、静かに空間を満たしてくれるスウェーデンガラスの名作です♪