この特徴的なフォルムは、“Colombia”や“Tema”といったシリーズにも用いられています。
Mexicoはイェンス・H・クイストゴーのデザインと紹介されることもありますが、それを裏付ける明確な資料は確認されておらず、実際のデザイナーは不明とされています。
一説には、当時クイストゴーがDANSK社に所属しデザイナーを務めていたため、Bing & Grøndahl社としては彼の名前を明記することを避けたのではないか、という見解もあるそう。
何より目を惹くのは、豊かな釉薬の景色。
グレーを基調に、ブラウンやパープルが複雑に溶け合い、カップの足元とソーサーを彩ります。
釉薬の流れや色の重なり方は一客ごとに異なり、光を受けるたびに艶やかな色彩が浮かび上がります。
カップの縁には、ブラウンの釉薬が細い線を描くように流れる繊細な表情も。
ぽってりとした器肌と角ばったハンドルは手に心地よく馴染み、カップ同士を重ねて収納できる実用性も備えています。
美しさだけでなく、日々の道具として使うことまで丁寧に考えられた一客です。

北欧の器でありながら、日本の焼き物にも通じる、素朴で静かな佇まい。
異なる色が溶け合い、ひとつとして同じ表情を持たないMexico。
器の中に広がる、小さな釉薬の景色をどうぞお楽しみください♪

















