Finnish Vintage Asko Bookcase Anjala Olli Borg/フィンランドヴィンテージ アスコ ブックケース オッリ・ボルグ 本棚 北欧家具

1918年にフィンランドで創業した家具メーカーAsko/アスコ。
当初から量産と流通に注力することで他社と差別化し、国際的にも成長を遂げ、戦後はオッリ・ボルグを中心に、イルマリ・タピオヴァーラやタピオ・ヴィルカラ、エーロ・アールニオといった著名デザイナーと協働し、数々の名作家具を生み出しました。

特に、アールニオとのコラボレーションで生まれたBallチェアやVSOPチェアなどは世界的にも知られる存在です。
1970年代以降は統合や買収を経てクラシックなデザインの家具の製造はなくなりましたが、現在もフィンランドを代表する人気ブランドとして広く親しまれています。

こちらは、デザイナーOlli Borg/オッリ・ボルグによって1960年代にデザインされたのが”Anjala”シリーズのブックケース。
北欧家具の中でもフィンランドらしい素朴さと合理性を兼ね備えた一台です。

Though understated, it changes its expression depending on where it's placed or what it's displayed with, enriching everyday life.

素材にはフィンランドを代表する材のバーチが用いられ、やわらかな木肌と明るい色合いが、空間に軽やかな雰囲気をもたらしてくれます。
また、穏やかながらもうねるような木目の表情も良い味に。
フレームや棚板の縁にはわずかに凹みを施し、どこかクラシカルな一面も垣間見えています。
外観は一見すると非常にシンプルで、直線的でオーソドックスな形状ですが、そこにこそ北欧デザインの本質的な魅力が潜んでいます。

棚板はレール式で、細かなピッチに合わせて高さを調整することが可能。
大きな画集やレコードを並べるときも、小物をリズミカルにディスプレイしたいときも、用途に応じて柔軟に対応してくれる実用性の高さが魅力です。

そしてもうひとつの特徴は背板の色味。
白っぽいトーンに仕上げられており、バーチの明るいフレームとのコントラストが良い味となっているだけでなく、飾るものを引き立てる背景としても機能しています。
デンマークやスウェーデンのヴィンテージ家具ではあまり見られない仕上げで、このブックケースにささやかな個性を与えています。
脚部はオリジナルデザインではないものと思われますが、素朴な風合いにちょっとした愛嬌をプラスする良いアクセントにもなっています。

幅広で奥行きもほどよく取られた棚は、収納力もたっぷり。
しっかりとした容量がありながらも、バーチ材の軽やかな印象によって圧迫感を感じさせないのも、このブックケースの魅力です。