1点目にご紹介するのは、北欧フィンランドを代表するガラスデザイナー、Oiva Toikka/オイバ・トイッカが手がけた“Fauna/ファウナ”シリーズのボウル。
オイバ・トイッカは、ヘルシンキの芸術学校で陶芸を学んだのち、1950年代にアラビアでキャリアをスタート。
その後1963年にはNuutajärvi/ヌータヤルヴィのガラス工房の専属デザイナーとなりました。
同じフィンランド出身のデザイナー、カイ・フランクと一緒に様々な実験的試みを行い、また、ブロウ職人とともにたくさんの革新的なブロウ技術を編み出しました。
彼が手がけた作品は、北欧デザインの象徴とも言われる鳥をモチーフにしたコレクション”バード バイ トイッカ”や朝露をガラスの粒で表現した”カステヘルミ”シリーズ、植物や果物、動物をモチーフにしたシリーズ”フローラ”、”フルッタ”、”ファウナ”などが挙げられます。

“Fauna/ファウナ”とは動物相という意味があり、その名の通りガラスの凹凸で表現されたお花や植物の模様の中に様々な動物を見つけることができます。
1970年から1980年代まで製造されていたシリーズです。
種類によってデザインが異なるため、それぞれのアイテムにどんな動物が登場しているのか目を凝らして見てみるのも楽しいです。
癒しを与えてくれるような深いグリーンも魅力のひとつ。
元々はNuutajärviで製造されていたシリーズですが、NuutajärviがARABIA-Wartsilaに買収された後にも製造されていたためARABIAのロゴシールが貼られているものもあります。
薄手で繊細な作りの小ぶりなボウルですが、遊び心のあるユニークなオイバ・トイッカの世界を堪能できる一品です。

2点目にご紹介するのは、フィンランド南部にある都市リーヒマキにて1910年に設立されたガラスメーカー、Riihimäen Lasi/リーヒマエン・ラシの”Grapponia/グラッポニア”シリーズのボウル。
フィンランド出身のガラスデザイナー、Nanny Still/ナニー・スティルによって1968年にデザインされ、1975年まで製造されました。
ナニー・スティルは1940〜1970年代にかけてRiihimaen Lasiでトップデザイナーとして活躍した、20世紀のフィンランドデザイン界を代表するデザイナーのひとり。

小さなガラスの粒をお花のように配置した印象的なデザイン。
光がこの小さな粒に乱反射することによって、様々な表情を見せてくれます。
グラッポニアは豊かなカラーバリエーションとフォルムバリエーションも特徴。
こちらはシンプルなクリアカラーのボウルですが、ガラスの煌めきをより一層華やかに感じるように感じます。
また、手に取ったときに感じる粒の凹凸も心地よいです。

3点目にご紹介するのは、フィンランドを代表するふたつのメーカー、iittala/イッタラとMarimekko/マリメッコのコラボレーションから生まれたボウル”Mariskooli/マリスコーリ”
日本では”マリボウル”としても知られています。
1959年にヌータヤルヴィ発表されたMariskooliは、もともとはヌータヤルヴィのガラス工場の屋根裏部屋で若いデザイナーが見つけた古いイタリアのボウルからインスピレーションを受けてデザインされたものと言われてます。
Marimekkoの創設者であるArmi Ratia/アルミ・ラティアが気に入って使用していたことがきっかけでMarimekkoがデザインを買い取ることに。
1965年からはiittalaが製造しており、2014年まで続いたロングセラーシリーズでしたが、現在では残念ながら廃盤となっています。

プレスガラス技法による厚みのあるガラス。
脚がついたエレガントなフォルムにボウルの縁のなみなみが可愛らしさをプラス。
クラシカルだけれど、どこか親しみやすいボウルです。
同じくiittala/イッタラとMarimekko/マリメッコのコラボレーションから生まれたキャンドルホルダー”Kivi”のように、年代ごとに様々なカラーが作られました。














